「こんなはずじゃなかった」を防ぐ、翻訳発注の賢い進め方(後編)

はじめに:翻訳依頼のミス「あるある」
翻訳依頼のこんな失敗、ありませんか?
翻訳を外注したものの、「なんとなく違和感がある」「修正が何度も発生した」「予算オーバーになった」
そんな経験はないでしょうか。
実際によくある声
😖 「翻訳は届いたけど、イメージと全然違う」
😖「修正を3回お願いしたら、追加費用が5万円発生した」
😖「納品後にレイアウトが崩れていることに気づいた」
😖「用語が統一されておらず、社内で指摘された」
😖「安い翻訳会社に頼んだら、結局高くついた」
このシリーズ、前回の「こんなはずじゃなかった」を防ぐ、翻訳発注の賢い進め方(中編)では、翻訳依頼でよくある失敗の事例についてご説明しました。
今回の「後編」では、さらに失敗の内容に踏み込んだ事例と、失敗防止策としてのチェックリストを挙げてみたいと思います。
翻訳依頼の失敗を上手に避けていただくため、この記事がお役にたてば幸いです。(ちなみに、前回までの記事は以下。)
「こんなはずじゃなかった」を防ぐ、翻訳発注の賢い進め方(前編)
「こんなはずじゃなかった」を防ぐ、翻訳発注の賢い進め方(中編)
(後編では失敗の事例の続き、2点をご紹介し、それに対処する方法をご説明します。)
翻訳依頼でよくある失敗例 (納期、未完成原稿 編)
(中編)記事で、翻訳失敗例を5つご紹介しましたが、続けて2つご紹介したいと思います。
⑥ 納期を詰めすぎる
極端な短納期は、翻訳の品質に影響します。
「翻訳者(またはAI)が翻訳して終わり」と誤解してしまうことで起きる失敗です。
典型的なケース:
【依頼内容】
技術文書 10,000文字を「明日まで(24時間以内)」とし、翻訳会社に指示をした。
【翻訳会社の対応】納期優先で、「チェック工程」を省略して納品されてしまった
【納品後の問題】 誤訳や入力ミスが複数あり、そのままでは使えない。
【修正対応】修正に2日かかることになり、通常納期で依頼するより1日遅くなった。
ワンポイントアドバイス👆
「納期厳守」の指示を受けた翻訳会社では、自己判断で工程の一部を省略してしまう危険性があります。
前もって、必要な工程の説明をするよう、翻訳会社に求めてください。
必要な工程には、およそ以下のような内容が含まれています。
翻訳作業工程と時間

ちなみに、この時間配分による「適切な納期の目安」は以下のとおりです。※(標準的な内容・分野)
- 1,000文字:1~2営業日、3,000文字:2~3営業日、5,000文字:3~5営業日
- 10,000文字:1週間、20,000文字:2週間、50,000文字:3~4週間(それ以上は応相談)
ただし、専門性が高い分野(医療、法律、技術)は、さらに時間がかかる場合があります。
そして翻訳案件では、担当の翻訳者がうっかりミスを見落とすことがあります。(自分の勘違いに気が付くことはなかなか難しいのです。)
そのため、チームのディレクターが客観的に校正を行なう必要があります。
たとえば、用語が全体を通じて一貫しているか、文体が統一されているか、文の流れ(文脈)に矛盾はないか、原文の解釈に間違いは無いか。などなど、翻訳時には見落としてしまうことも、全体を通じた校正で直すことが可能です。
もし、納期厳守であれば、担当増員など、柔軟な対応を求めつつ、翻訳会社と調整することが必要です。
失敗の回避方法 = 余裕を持った納期設定のために守ること
- 急ぎの場合は、特急対応が可能か確認を行ないます。
- ※別途特急料金(通常の20-50%増)などが設定されている場合もあります。
- 分割納品の検討するなど、 全体を一度に依頼せず、優先度の高い部分から納品させる。
- 事前に翻訳会社と相談し、「最短でいつまでに納品が可能か」スケジュールを確認しておきます。
⑦ 自社での修正前提で依頼する
原稿作成が途中で、スケジュールが迫ってくると「あとで直せばいい」と考えがちです。
ところがここに落とし穴があり、翻訳を依頼した翻訳会社から見て、最初の品質があいまいになります。
典型的なケース:
【依頼時の考え】👉
「とりあえず翻訳してもらって、あとから社内で直せばいい」
「細かいことは後で調整すればOK」
【翻訳会社の対応】👉 あとで修正されると分かっているため、用語の統一などの細部にこだわらないで進めてしまう。
【翻訳会社の誤解】
ポストエディット(後から品質チェック)を依頼されていない
翻訳会社に誤解された結果、修正箇所が、想定よりも多すぎる(100箇所以上など。)修正に社内工数がかかりすぎる、など想定外の事態に陥ってしまいます。
修正前提の問題点: 翻訳会社が詳細を詰めず、発注者も曖昧な指示を出して進めてしまいがちになります。
結果的に、あとから大幅な修正が必要になり、修正回数が増え、工数とコストが膨らんでしまいます。
ポイント: 翻訳は「最初から方向性を明確にする」ことが重要です。
品質に対する翻訳会社の誤解という失敗を回避するには、以下を詰めておくことが重要です。
- 初回打ち合わせで詳細を詰めます。翻訳会社の校正チェック(ポストエディット)か、一旦納品で自社チェックか、を明確にする。
- 用途、読者、トーン、用語等を明確にし、翻訳会社に指示を出します。
- サンプル翻訳で方向性を確認します。(納期に余裕がある場合や、品質が心配な場合)
以上、翻訳依頼の失敗ケースをご紹介してきました。このような失敗を防止する上で、以下のチェックリストを参考にしていただけると幸いです。
失敗しないためのチェックリスト
翻訳依頼前に、以下を確認しておくと安心です。
原稿は整理されているか✅
- ☐ 誤字脱字がない
- ☐ 表記揺れがない(例:「ログイン」「log-in」「log in」…など)
- ☐ 不要な部分は削除されているか
- ☐ 図表・画像が明確
- ☐ 参照箇所が正しい
翻訳の目的は明確か✅
- ☐ 誰に向けた翻訳か(読者は誰か)
- ☐ どのような用途か(社内資料、顧客向け、マニュアル等)
- ☐ どのような媒体か(印刷、Web、プレゼン、動画等)
- ☐ どのレベルの品質が必要か(高品質、標準、簡易)
想定読者は誰か✅
- ☐ 専門家 or 一般消費者
- ☐ 社内 or 社外
- ☐ 年齢層・バックグラウンド
- ☐ 知識レベル(初心者、中級者、上級者)
用語のルールはあるか✅
- ☐ 用語集はあるか
- ☐ 過去の翻訳資料はあるか
- ☐ ブランド名・製品名の表記ルールは明確か
- ☐ 社内で使用している用語は明確か
レイアウトを考慮しているか✅
- ☐ DTP(レイアウト調整)が必要か
- ☐ 元データ(編集可能なファイル)はあるか
- ☐ 使用フォントの情報はあるか
- ☐ 印刷用 or Web用か
すべてが揃っていなくても問題ありません。
ただし、伝えられる情報が多いほど、
費用、納期、品質が格段に向上します。
まとめ:翻訳は「設計」が9割
「翻訳」は翻訳者(またはAI)が翻訳して終わり、ということはなく、その後の校正チェック(ポストエディット)を経ます。
つまり、翻訳内容の正否を吟味・検証し、「用語」が指定されている場合は、統一して使用されているかを確認します。
この「翻訳プロセス」を理解して抑えることで、翻訳会社と適切なコミュニケーションが取れ、的確な指示をすることができます。
ぜひこれまでの内容を参考にされて、失敗しない翻訳に役立てていただけると幸いです。
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