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「翻訳してもレイアウトが崩れない!」 – Tradosの“レイアウト自動復元機能”?

自動レイアウト

目次

はじめに:わたしたちが展開する「TM(翻訳メモリ)ソリューション

今回は特に、翻訳メモリ(Translation Memory)を活用した、非常に便利な機能をご紹介します。

翻訳メモリ」と言われるデータベースは、専用のアプリを利用して構築されます。

いくつかあるアプリのうちの最古参が、Trados(トラドス) と言われるツールになります。

これは原文と訳文とを一対一でペアリングし、データベースとして保存するツールになります。

1. Tradosの、おどろきの機能

(実際の画面の一部)

※ これが作業画面の一部になります。ちょうど真ん中から左にあるのが、「原文」で、右にあるのが「訳文」です。

(こちらの例では、原文が「日本語」。そして訳文が「英語」になっています。)

「原文」と「訳文」とは、必ずワンセットになって、左右が結びつけられています。

つまり原文の翻訳が済むと同時に、訳文との結びつき(ペアリング)も完成ということになります。

翻訳メモリのイメージ
ペアリングのイメージ

このペアリングの通りに、元レイアウト(原文)をごっそり新レイアウト(訳文)に置き換えてしまおう、というおどろき😲!の機能Tradosにはあります。

2. 翻訳後のレイアウト、手作業で苦労していませんか?

翻訳業務において、直面する大きな課題に、翻訳後の「レイアウト修正作業があります。

完成した翻訳テキストを、カタログやパンフレット、Webページなど、デザインされたページに流し込む作業です。

デザイン性が高いほど、翻訳後のテキスト量により、レイアウトのズレが発生。締め切り直前の“手作業地獄”におちいります。

そこで注目されているのが、さきほどのTradosに搭載されている「レイアウト復元」機能です。

これは、翻訳作業後にオリジナルのファイル形式(拡張子)で、そのままレイアウト付きで書き出せるという、非常に強力な機能なのです。

3. Tradosのレイアウト復元機能とは?

Tradosでは、翻訳対象の原稿ファイルが、自動的に一度「中間形式(SDLXLIFF)」というものに変換されます。

そのうえから直接、翻訳作業が進められます。(先の「実際の画面の一部」を参照ください。)

そして、翻訳が完了した後、ワンクリックで「元の形式」にエクスポートができるようになります。

しかも原稿のレイアウト(フォント、画像、段組、スタイルなど)が、高い精度で保持されます。

以下に、この方法が通用するファイル形式をご紹介します。

対応ファイル形式(代表例):

  • Microsoft Word(.docx)
  • PowerPoint(.pptx)
  • Excel(.xlsx)
  • Adobe InDesign  (.idml)
  • HTML、XML、XLIFFなど

具体的な使い方  (手順紹介):

以下は、PowerPointファイルを例にした実際の作業フローです。

  1. 翻訳対象ファイルをTradosに取り込み
    • 原文ファイル(例:company_profile.pptx)をドラッグ&ドロップ
  2. 自動的に中間ファイル(SDLXLIFF)が生成される
    • レイアウト情報も同時に記録
  3. 翻訳作業を実施(TMや用語集も併用可能)
    • 「ターゲットファイルの保存」をクリック
  4. 翻訳済のPPTXファイルが出力され、レイアウトも自動復元!

📌 ポイント:段落数や改行をなるべく変えずに翻訳することで、復元の精度はさらに向上します。👍

4. 自動レイアウト機能のメリット

ページレイアウトの自動復元がもたらすメリットを以下にまとめます。

  • 納品のスピードアップ:レイアウト修正作業がほぼ不要
  • 社内DTPコストの削減:社内での再デザインが不要に
  • お客様の満足度向上:再利用性が高く、見た目も美しい

それでは、この驚異の自動レイアウトの成果(実例)をご覧いただきます。

まずは、もとになった日本語から。(クリックすると、PDFで見ることができます。)

つぎに、「英語」に差し替えたもの。(お米袋など、ブランド名や画像の日本語はそのままです。)

最後に、台湾向けの「繁体字中国語」です。

いかがでしょうか。これらのページは、Tradosのページ自動復元機能を利用したものになります。

もしこれが10言語でそれぞれ100ページとすると、この機能のスゴさが肌感覚でわかると思います。

いままでは「手作業で文字をコピペ」していたのが、自動でレイアウトされるのは、本当に凄い!😳

おどろきの効率アップ、ひいては時短とコスト削減が実現できるでしょう。

まとめ

Tradosレイアウト自動復元機能、または「ターゲットファイル出力機能」は、翻訳業務における生産性と品質の両立を可能にする方法です。

もしまだこの機能を活用していないのであれば、次の案件でぜひ試してみてはいかがでしょうか?

私どもでも、以下の案件において活用するケースが多くあります。「翻訳メモリ」と相性の良いものばかりです。

業務カテゴリ推奨度コメント
パンフレット★★★★★InDesign対応が強力
製品マニュアル★★★★★TM・用語集と組み合わせて最適
プレゼン資料★★★★見栄えよく出力可能
契約書翻訳★★★☆☆レイアウトよりも内容重視 Wordとの相性はGood

企業のグローバル展開や多言語対応を検討されている方は、この最新技術を活用した翻訳サービスを活用されてはいかがでしょう。

「翻訳メモリ」を活用したソリューションについては、ぜひ私たち「翻訳+ブラス」にご相談ください。

(他、ご参考ページ)

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