plustranslate.com by Fine Concepts
ホーム » ブログ » 翻訳メモリとAI翻訳の融合がもたらす翻訳革命

翻訳メモリとAI翻訳の融合がもたらす翻訳革命

AIと翻訳メモリの融合

目次

はじめに

グローバル化がいっそう進む現代。

国内外の海外展開に合わせた多言語対応は、今まで以上に重要度が増しています。

そのような中、「スピーディーで、良質な翻訳」を実現していくことが私たちの使命です。

その実現に、「翻訳メモリ」と「AI翻訳」を連携させた最新の手法が注目されています。

本記事では、「翻訳メモリ」の基本的な仕組みと特長、そしてAI翻訳との連携による効率化と品質向上についてご説明します。

翻訳メモリの仕組みと特長

1. 過去データの蓄積で、一貫性を実現

翻訳メモリは、英語ではTranslation Memory、または簡単に「TM」と表記されます。

これまでに翻訳された文章やフレーズを、データベースに蓄積したものになります。

たとえば、マニュアル統合報告書など、同じ表現が繰り返し現れる文書があります。

そういった文書を「翻訳メモリ」というデータベースに通すと、蓄積された過去の翻訳の中から似ている(または同じ)フレーズを探して、引っ張り出してくれるようになっています。

(翻訳メモリのイメージ)

つまり「翻訳メモリ」とは、追加の文章「原文」に対して、過去の(類似または同一)訳文自動的に抽出(提案)する技術なのです。

既存の訳文を再利用することで、用語や表現の一貫性を保つことが可能になります。

この特長についてさらに、コスト面と納期におけるメリットをご説明します。

2. コストと納期を大幅に削減

1.の仕組みにより、翻訳の一貫性を保ちながら、納期とコストを大幅に削減できます。

「過去の翻訳データを流用する」とは、つまり「翻訳の量が大幅に減る」ことになります。

ケースによっては、翻訳コストの3050%以上の削減が可能です。

また作業時間が短縮されるため、短納期の案件に柔軟に対応できます。

新たに翻訳する場合でも、よく似た表現があれば、流用が簡単にできます。

よって翻訳者はゼロから作業する必要がなくなり、翻訳時間が大幅に短縮されます。

3. 品質向上による信頼性の確保

もし複数の翻訳者が関わるプロジェクトでも、共通の翻訳メモリを利用することで統一感が生まれ、企業のブランドイメージを損なわない高品質な翻訳が実現可能です。

翻訳者は、翻訳メモリの中にある「用語」や高品質な訳文を参照・流用していきます。

このため、個人の思い込み(勘違い)によるミスが減り、品質の安定した翻訳になるのです。

4. 多言語に展開しやすい

Webや印刷物など、同じコンテンツを多言語で翻訳する際にも、翻訳メモリが役立ちます。

異なる言語間でも、「用語」や「表現・表記」の一貫性を保つことができます。

グローバル展開を進める企業にとって、翻訳メモリは品質保証の強力なツールとなります。

この「翻訳メモリ」と「AI翻訳」を組み合わせると、さらに効率を高めることができます。

AI翻訳との連携

1. 機械学習による高速翻訳

AIは、最新のニューラル機械翻訳により、大量のテキストを高速に翻訳します。

特に、定型文やよく使われる表現に関しては、迅速かつ正確な翻訳が期待できます。

その速度を活かして初稿をAIで作成し、「校正」のたたき台とすることも可能です。

2. 継続的な学習で精度向上

さらにAI翻訳システムと、「翻訳メモリや用語集」と連携させることが重要です。

「翻訳メモリ」内にある表現とそろえながら、翻訳品質のフィードバックを行ないます。

AI翻訳システムは、それを継続的に学習し、精度が向上していきます。

3. 人とAIのハイブリッド翻訳

もちろん自動翻訳だけでは、専門性や文脈の理解には限界があります。

(たとえば、「著作物」の題名が海外正式名とは異なる翻訳表現になってしまうなど。)

そこで、プロの翻訳者やライターが最終チェックを行うハイブリッド手法が注目されています。

とくに人による客観的な校正を、「ポスト・エディット」(後編集)と呼んでいます。

このポスト・エディットにより、スピードとともに、品質のバランスが最適化されます。

翻訳メモリとAI翻訳の連携がもたらすベネフィット

それでは、両者(翻訳メモリとAI)の組み合わせがもたらすベネフィットを以下にまとめます。

  1. さらなる効率化とコスト削減
    • 自動提案の強化:
      • AIが翻訳メモリ内の類似文を迅速に照合し、最適な訳文を提案。
      • 作業効率が飛躍的に向上します。
    • 一括翻訳の実現:
      • 大量の定型文を含む文書も、AI翻訳と翻訳メモリの連携により、一括して正確に翻訳。
      • 全体のコスト削減につながります。
  1. 品質の一貫性と安定性の向上
    • 用語統一の自動管理:
      • AIと翻訳メモリの連携で、専門用語やブランド表現の一貫性が自動的に保たれます。
      • 各言語間での表現揺れを防ぎます
    • ポスト・エディット:
      • AI翻訳で生成された訳文を、プロの翻訳者やライターが最終チェックします。
      • より自然で読みやすい文章に仕上がります。
  1. グローバル展開の迅速化
    • 多言語対応の加速:
      • 一度構築した翻訳メモリは、AI翻訳により他の言語にもスピーディに展開可能。
      • これは、企業のグローバル戦略を支える強力なツールとなります。
    • 柔軟なローカライズ:
      • 各国市場に合わせた微調整が容易。
      • 文化や文脈に適した表現と表記が提供され、海外顧客の信頼を獲得できます。

翻訳依頼を検討されているお客さまへ

翻訳メモリとAI翻訳の連携は、従来の翻訳手法を大きく変革し、翻訳のスピード、品質、そしてコストパフォーマンスを劇的に向上させます。

企業のグローバル展開や多言語対応を検討されている方は、ぜひこの最新技術を活用した翻訳サービスをご検討ください。

(他、ご参考ページ)

上部へスクロール