1. プロジェクト概要
山形県天童市の住民向け。「洪水ハザードマップ」の多言語翻訳と、レイアウト校正。
日本語をもとに、英語と中国語(簡体字)、ベトナム語へ、プロフェッショナル翻訳を行いました。
短納期対応により、日本語から直接、3言語への翻訳を同時展開しました。
まずは、英語・中国語・ベトナム語ともに、日本語との対訳の形式で納品。お客様ご自身がそれをレイアウト。
最終的にレイアウトPDFをお預かりして、弊社のチェッカーが、レイアウトの校正を行ないました。
2. プロジェクト詳細仕様
- 納品物の規模: 展開サイズB4 (ウラ・オモテ 全6面 × 言語別3種)
- 原文言語: 日本語(総単語数 約5,000 文字)
- 翻訳言語: 英語、中国語 (簡体字)、ベトナム語
- 制作期間: 翻訳作業 3営業日、レイアウト校正チェック 2営業日(約 1週間)
- 制作時期: 2026年1~2月
- プロジェクト総費用: 約32万円(3言語翻訳費用+校正レビュー費用込み)
3. お客様のための専門的サポート
A. 地名・公共施設名の読みかた、正式名称、表記ルール
今回のプロジェクトでは、「洪水」「土砂災害」などの緊急時に、外国籍の住民の方たちが危険な地帯を避け、安全に確実に避難できるよう、”避難マップ“が作成されました。この多言語化は、単に「外国語に訳す」作業ではなく、「ユーザーをどう導くか」を考えるクリエイティブな作業となりました。
防災マップの多言語化において、いくつか気を付けることがあります。
① 地名や施設名の読み
基本的なことですが、地図上の場所や建物などの「固有名詞」の正確な読みを把握しないといけません。特殊な難読漢字など、日本では何と読むのかわかりにくい固有名詞が無数にあります。
今回の例でいうと、以下の読みは調べないとわかりませんでした。とくに、変化する場合は、住民のかた以外ですんなり読める人は少ないと思われます。
「高擶」小学校 =「たかたま」小学校
「高擶」駅 =「たかだま」駅
② 地名や施設名の正式な訳表現の有無
防災マップを始めとして、観光マップも同様ですが、目的地にたどり着かなくてはいけません。とくに緊急性が問われる「防災マップ」は、避難に時間がかかると、命が危険にさらされてしまいます。
そのような前提をもとに、「地図」を単純に翻訳するのではなく、日本語以外を母国語とするかたが見ても、違和感や疑問が生じないように、使用言語にあわせた自然な表現をとる必要があります。このことを、「ローカライズ」(現地化)といいます。
日本の「公民館」や「排水樋門(はいすいつうもん)」「ため池」に相当するものを、外国の現地ではなんと呼ぶ ?
まず、同じ使用目的のものがあるか否か、もしない場合は、どのように表現するかを講じなければいけません。また、同じものがある場合でも、公式の訳が存在していれば、優先して使わないといけません。勝手に翻訳語を作るわけにはいかないのです。
③ 表記ルール
防災マップですから、場所を正確に把握する必要があります。②でも記しましたが、たどり着かなくては意味がありません。
そうすると、もし「読み」の音が失われると、避難したい人が尋ねても、どこに行きたいのかわからなくなる場合が生じます。
たとえば、山王病院は”Sanno Hospital”とすべきで、「山王」は音のまま、「病院」は翻訳となります。
では、「あかがわ」(赤川)は、どうでしょうか。 Aka River ?それともAkagawa River ? またはRed River ?
このように、見解が分かれそうなグレーゾーンがあり、各地の事例を見ても、残念ながらバラバラで、現状はルールの統一が取れていません。
ただし、目的地を違わずに、直接訪ねても誤解が生じないのは、「Akagawa River」ということになります。
重要なのは、決して不統一にならないよう、明確な記述ルールを定めることです。
実務でのポイント
✅ 固有名詞の「読み」は正しいか
✅ 正式な翻訳名はあるか、ない場合はどう表現するか
✅ 表記のルールはどうするか
B. 正式なフォントを使用すること
ベトナム語は基本的にアルファベットを使用しますが、その上下に「声調記号」や「母音記号」というものが付きます。
正しいフォントを使用しないと、記号が文字とくっついてしまったりして、読めなくなってしまいます。
ベトナム語の声調記号(à, á, ả, ã, ạ, â, ê, ôなど)を綺麗に表示するには、ベトナム語(Latin Extended-Additional)に対応した専用フォントが必須です。
Google Fontsの場合には、フォント詳細ページ(言語対応欄)でVietnameseにチェックが入っている書体を選びます。
弊社では、通常は「Open Sans」などのサンセリフ系をお奨めしています。
4. 翻訳は「納品して終わり」ではありません
このように、わたしたちの役目は、翻訳を納品して終わりではなく、最終成果物まで責任をもってお客様と歩みをともにすることです。
外国語のレイアウト作業では、知らず知らずのうちに、うっかりとしたミスが発生しやすいのです。
また、一般的に知られていないルールも多く存在します。
しかし、注意すべきポイントをしっかりと把握していれば、こうしたミスは十分に防ぐことができます。
特に外国語の場合、なかなか気づきにくい言語固有のルールが多数存在するため、不安を感じられるお客様も少なくありません。
5. 外国語翻訳や、レイアウトに不安がある方へ
ベトナム語に限らず、中国語、韓国語、その他の言語でも、レイアウトや表記ルールに不安を感じる場合は、ぜひ弊社の校正レビューサービスをご活用ください。
長年の翻訳実績と専門知識に裏付けされた私たち「翻訳+プラス」のサービスで、お客様のグローバル展開を強力にバックアップいたします。
韓国語翻訳、多言語翻訳、レイアウト校正、DTP作業など、翻訳に関わるあらゆるニーズに対応可能です。
まずはお気軽にご相談いただけますと幸いです。