概要
「製品サービス紹介の映像」(6本)をお客様からお預かりし、英語から日本語に翻訳。
専用スタジオで、ナレーション音声をプロのナレーターにより、収録。(立ち合い収録)
最後に、MA(音声ポストプロダクション)工程で映像や効果音と組み合わせ、仕上げました。
https://www.youtube.com/@ebm-papstjapan4291
仕様
製品サービスの特長を紹介するムービー
- 映像ファイル: 全6ファイル (MOV形式)
- 全尺 約20 minutes
- 元言語: 英語 (単語換算: 約 2,400 words)
- 翻訳言語 (日本語)
- 制作期間: 2025年11月
- 翻訳、収録費用: 約 50 万円
お客様のための施策 (翻訳について)
① 音声を正確に聞き取り、ナレーション原稿を作成 (※原文スクリプトが存在しない場合)
まず行ったのは、英語音声のリスニングによる文字起こしです。
今回は、とくに早口でのナレーションのため、聴き取り量が多いのが特徴でした。
しかし単なる「聴き書き取り」ではなく、ここでは、以下の点を意識しました。
- 話者の抑揚(イントネーション)
- 強調されている語
- 間(ポーズ)の位置
- 言い直しや、英語での自然な省略
と、ここまでを含めて内容把握します。
(この段階でナレーションの「話し方の癖、特徴」をつかんでおくことが、後工程の質を大きく左右します。)
② 映像と英語音声とを確認しながら、フレーズを適切な単位に分割(ハコ切り)
次に、もとの映像を確認しながら、
ナレーションを意味と時間の両面から区切る作業(ハコ切り)を行います。
ここで意識したのは、次の3つです。
すなわち、
- 映像のカット点 (映像が次のショット(=場面)に切り替わる瞬間)
- その他、個別の画像やイラストなどの動き
- 何はともあれ、情報が視覚的に入るタイミング
つまり、単なる文法単位ではなく、
「視聴者(ユーザー)が一息で理解できる情報量」を基準に区切っていきました。
③ ハコごとの尺を意識しながら、仮翻訳を行う
ひとまず、分割した各フレーズ(ハコ)ごとに、時間内に収まる日本語訳を作成します。
この時点では、完璧で自然な日本語よりも、
- 文字数と秒数のバランス
- 話したときのリズム
- 情報の取捨選択
を優先します。
というのも、ナレーション翻訳では「全部訳す」よりも、「聞き取れる形で伝える」ことが重要だからです。
④ 英語の語順に引きずられず、日本語として自然な構造に組み替える
次に行うのが、日本語としての再構築です。
英語と日本語では、
- 情報提示の順序
- 主語の扱い
- 強調の位置
が大きく異なります。
そのため、英語の構文をなぞるのではなく、
- 聞き手が理解しやすい順番
- ナレーターが読みやすい語順
に組み替えていきます。
ここでは、字幕翻訳よりもさらに踏み込んだ意訳(解釈)が求められます。
⑤ ストーリー展開と画面の動きに合わせて微調整する
翻訳文が一通り整ったら、改めて映像全体を通して確認します。
- 情報が早すぎないか
- 画面より先に説明しすぎていないか
- 感情の盛り上がりとズレていないか
ナレーションは映像の「説明役」であると同時に、
映像のテンポを決める要素でもあります。
場合によって、表現を削ったり、日本語らしい「間(ま)」を作ったりする調整を行います。
⑥ ナレーターの読み合わせを想定し、最終調整を行う
最終工程では、
実際に声に出して読まれることを前提にした調整を行います。
- 言いにくい音の連なり
- 息継ぎしにくい長さ
- 感情を乗せにくい表現
などをチェックし、ナレーター自身が自然に読める日本語に仕上げます。
もし、可能であれば、読み合わせ音源やリハーサルを踏まえて微修正することで、
収録現場での修正指示を最小限に抑えることができます。
特記
※ 今回のプロジェクトの事例には、以下のような特徴もありました。
・オリジナルの英語がかなりの早口。まずは、尺に収まるよう、日本語の長さを工夫。
・「日本語の呼吸の間(ま)」に気を付けながら、聞き取りやすいように表現を調整。
・何はともあれ、お客様製品サービス固有の表現を正しく使用すること。
・ストーリーのイメージに合った声質のナレーターも選定。オリジナル映像は男性だが、
日本語としては女性を起用。
・最後に、用途(YouTubeでの配信)に合わせて、mp4形式にコンバートしてご納入。
ナレーション翻訳は「音声設計」
映像ナレーションの翻訳は、
単なる言語変換ではありません。
誰が、
どんな声で、
どんな速度で、
どんな感情を込めて話すのか。
そこまで想定して初めて、「使えるナレーション翻訳」になります。
もし、ナレーション収録で毎回修正が出る、
あるいは、内容が耳に残らないと言われる、
なぜか海外向け研修動画の反応がいまひとつ。
そんなお悩みがあれば、
翻訳工程のどこかで「音声目線」が抜けているのかもしれません。
そのようなときは、「翻訳プラス(+)」にぜひご相談ください。